4-2.大規模

 大規模な形での導入候補として、火力発電設備や原子力発電設備を増設する、または建て替える際の代替が挙げられる。

 日本においては電力自由化によって、比較的容易に発電させることができる石炭火力発電設備が小規模発電設備として増えている。また震災後、原子力発電設備が利用できなくなり、火力発電設備がミドル電源としてだけではなくベース電源としても利用されているが、どうしても発電方式上、温室効果ガス、特にCO2の排出が抑えられず、いかにCO2の排出を減らすかが検討され、高効率の火力発電設備の開発が進められている。そのような火力発電設備の高効率化や信頼性の向上のために、40年を経過した設備に対して、廃止もしくは建て替えの検討を行なっている。その対象は、現時点では石炭火力発電設備で約1割、ガス火力発電設備で約2割、石油火力発電設備で約5割だが、2030年度には石炭火力発電設備で約2割、ガス火力発電設備で約3割、石油火力発電設備で約9割がその対象になる。

 火力発電のCO2の排出量は石炭火力発電設備が平均で896 g/kWh、ガス火力発電設備が平均で426 g/kWh、石油火力発電設備が平均で695 g/kWhである。総発電電力量が10,181億kWhであり、そのうち石炭火力発電が32%(3,260億kWh)、ガス火力発電が40%(4,070億kWh)、石油火力発電が12%(1,220億kWh)であるため、石炭火力発電設備で約3億t、ガス火力発電設備で約1.7億t、石油火力発電設備で約0.8億t排出している計算になる。『電気事業における低炭素社会実行計画』において、高効率の設備を新設もしくは入れ替えすることで、2020年度の目標として0.7億t、2030年度の目標として1.1億tのCO2排出量の削減を見込んでいる。(出典:『火力発電に係る昨今の状況』資源エネルギー庁) つまり、温室効果ガス(CO2など)の排出がないグラビティ24は火力発電設備に対する入れ替え対象として最適な存在になりえるものである

 加えて、火力発電設備や原子力発電設備は熱を利用して発電をさせるため、温度の維持に対して水を使用した冷却が必要となる。そのため、排水等の観点から水辺に建設されることになる。つまり、水辺から遠隔地にある大消費地まで電気を送るとなると、どうしても大規模な送電網を構築せざるを得ない。さらに遠隔地まで送電をするために、ロスを見込んで、より多く発電をさせなければならず、必然的に発電設備が大きくなる。具体的には、送電ロスとして総発電量の5~10%を見込んで、余分に発電をしている。送電ロスを織り込む発電量は、100万kW級の発電設備の約7基分に相当する。その分、温室効果ガスを多く排出されており、温排水を多く排水されることになる。先に述べた必要以上に廃棄物を出す悪循環を解決することがグラビティ24は可能である。グラビティ24は発電場所を問わずに発電ができるため、電力消費地の近くに発電設備を設置することで、大規模な送電網を構築する必要がなくなる。そうすれば、ロスを見込んだ発電をする必要がなくなるため、既存の発電設備を縮小することが可能になる。温室効果ガスの排出を減らす、排水を減らして海水温の上昇を抑えるなどにつながり、環境問題解決の一助になる。

 安定的な電力を供給することができる原子力発電設備においては、温室効果ガスの排出自体は発電の際に発生しないが、代わりに使用済みの核燃料である放射性廃棄物が排出される。現時点では放射性廃棄物の処理方法が確立されていないため、使用済みの核燃料は増えていく一方である。震災後、原子力発電設備は停止しているが(実際は安倍政権の方針もあり、加圧水型軽水炉である川内、伊方、大飯と再稼働を行っている)、今後、電力の需要が増えれば再稼働せざるを得ない状態になる可能性もあるため、グラビティ24の導入に対するハードルは低くなっている。

 

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